作成者別アーカイブ: M.Maeda

いすのはなし

椅子好きなので、好きな椅子の話を3つほど。

僕がはじめて興味をもった椅子は、カルテル社から発売されているA・チッテリオの「DOLLY」でした。

 

dolly

 

横にスタッキングという発想や、シャープなフォルムに一目惚れして購入。搬送費が惜しくて梱包のダン

ボールを抱えて電車で持って帰ったことを思い出します。

また、室内外を問わず利用可能なところも気に入っていて、スタイリッシュさと機能性を兼ね備えた秀作

です!

 

 

Plia chair

 

次にこの椅子は、1969年にジャン・カルロ・ピレッティによって生み出された名作です。

第2次インテリアブーム以降、インテリアショップなどでよく見かけるようになりました。

8年程前に購入したのですが、今でも見ていて飽きません。かなりクールだと思います。

「Plia chair」は、折畳み椅子の原型と言われていて、その洗練されたスタイルは今日でも錆びれることな

在感を発揮しています。

もちろん見た目のみならず、機能面においても秀逸なデザインとなっていて、折り畳んだ状態ではハブの

部分が僅かに出っ張るだけで、その厚さ4.5cm!

現在、世に出回っている同類のものに比べても、かなり薄いですよね。

座っても、折り畳んでも絵になるこの椅子。

―名作と呼ばれる所以ですね!

 

 

 

three regged shell

 

最後に、3本脚の優美なフォルムを持つ「Three Legged Shell Chair」。

ミッドセンチュリーの時代背景を受けて、積層合板で作られたH.ウェグナーの代表作のひとつです。

量産化がなかなか難しかったらしく、過去何度も製品化を見送られていました。そして、10年程前にやっ

と世に出た逸品です。

現在は数種のバリエーションが展開されていて多様な表情を見せてくれています。

ウェグナー自身も、この原型となる試作品(アームやヘッドレスト付のかなり大ぶりのもの)を実際に使用

していたそう。

個人的に、アーロンチェアと並んで最も欲しい一脚です。

椅子は、実際に使ってみて身体で座り心地を記憶し理解するものだと思うので、職業柄出来るだけ多く

の椅子を所有して、試してみたいと思っています。

 

ただ、高過ぎるのでいつ購入できるかは未定ですが。。。

投入堂

 

三朝の三徳山三佛寺・投入堂に行ってきました。

三徳山は神・仏の宿る霊山。石鎚山(愛媛)・吉野山(奈良)とならぶ修行の場として有名で、慶雲3年(706年)に開山したと言われています。
その昔、修行者が蓮の花びらを、「この花びらを、神仏にゆかりのあるところへおとしてください。」と空に投げたところ、先の3つの山に舞い降りたため、そこに順にお堂を造っていったそうです。その最後が三徳山で、修行者が麓にお堂を造りました。そして、それを法力で手のひらに乗るほどに小さくして、大きな掛け声と共に断崖絶壁にある岩窟に投入れたと伝えられています。「投入堂」の名はこの事に由来します。 その他も、重文や国宝のお堂も幾つかあり、建立はそれぞれ平安時代後期及び室町時代・江戸時代後期とされています。 厳しい自然に身をおいて、悟りを開くために敢えて危険な場所に建立したお堂なので、参拝にも登山を要することで有名です。行く前に基本部分をざっくり調べただけだったので、受付で説明を聞いた時は驚きました。

と言うのも、以前からの入山時に靴のチェック(許可されなかったら受付で売ってる草鞋を購入しないとダメ)や、入山届の提出・雨天時は入山不可などの約束事があり、加えて、ここ数年連続で死者もでているらしく、警察から「一人での参拝は禁止」という指導がでて、お寺への参拝にしてはかなり厳しめの内容だったからです。

 結局、履いてた靴が許可されず500円で草鞋を購入。出鼻を挫かれ、裸足に草鞋スタイルで出発しました。・・・が、出発してすぐに、考えがあまかったことに気がつきました。

 途中、鎖やロープを頼りに崖を上る場所があるという事は知っていましたが、数もレベルも予想以上で、一歩間違えば大怪我しそうなところばかり。崖下へ転落なんかしようものなら間違いなく即死するはず。けれど、柵はなく、たまに命綱がある程度の安全対策もある意味すごかったです。 修行の意味が込められての事なので参拝者としては楽しいけれど、都会に住んでる者にはアナクロニズムな感覚をおぼえました。 

 草鞋に関しては、雨上がりとあって通常よりスリッピーな地面に足を取られていた靴の人たちを余所に、岩の上や木の根の上もモノともせずで、かなり威力を発揮!先人の知恵と道具の素晴らしさに感動・感心でした。 そんなこんなで、途中の崖っぷちに建つ文殊堂や地蔵堂に立ち寄り、「まさに絶景」を堪能して、最後に参拝者を待つ投入堂と納経堂へ。

 直線距離にすると麓から僅か500m程度ですが、道中を考えると充実感・達成感が結構ありました。それに、冒頭の伝説はホントの話じゃないかと思うくらい、どうやってあの場所に建てたのか不思議で、ここでも先人の知恵と忍耐に驚嘆せずにはいられませんでした。

 この日は、驚きと感動の充実した一日を堪能できました。行った事がある誰に聞いてもいい感想しか聞いたことのない、かなりお勧めのスポットです。

個人的にも、関西からだと日帰りで十分いける距離なので、近いうちにまた行きたいと思っています。