おけましておめでとうございます。
昨年は皆様には大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回はずっと行きたかった建築の1つ、槇さんの風の丘葬祭場へ行ってきました。
大分県中津市というところで、市街地からは離れており周りはほとんど何もないところでした。
道路からは低い丘の向こうにわずかに八角柱の斎場が見えます。
一歩足を踏み入れると、ぐっと心が引きしまります。
素材はレンガ積み、コルテン鋼、杉化粧型枠のコンクリート打ち放しがメインとなっており、
どの素材もしっかりと存在感はあるのに、風景に溶け込んでいました。
待合から斎場への通路にはガラスの板が夕日を浴びてとてもきれいに輝いており、先にある風の丘へ視線を運び、気持ちを落ち着かせてくれる一方、心の高鳴りも覚えます。
斎場の周りには水面があり、地窓から柔らかな光が内部空間へと差し込みます。
火葬棟は外に閉ざされた中庭を囲むように炉室や告別室など各室が配置されています。
この空間だけでもいろいろな思いが感じ取れます。
薄暗い空間にスリットやトップライトが差し込むような陰影を感じさせられる光の設計がされており、より一層静粛な雰囲気が際立っていました。
また、杉型枠のコンクリート打ち放しという素材感もまた、この空間において重要な役割を担っているように感じました。
風の丘の横には古墳時代から続く墓地群、相原山首遺跡が残されています。
古くから死にまつわる場所なんだな、と趣のある風景が納得できました。
ディティールや空間構成、さまざまな演出、ランドスケープなど全てにおいて槇さんの真剣さが伝わる建築で、ブログでは伝えきれないのでぜひぜひ行く価値ありです。
帰り道では心が洗われるような思いと、期待以上の感動をもらい、とても嬉しい気持ちでした。