夏の恒例行事

今年も8月9月に8人の学生がオープンデスクに来た。 これは学生が夏休みの間に行う職業体験の様な物で、受け入れ方式には学生本人からや日本建築家協会(JIA) からの紹介など様々だが、設計事務所の仕事を体験する良い制度である。

期間は2週間から3週間で、事務所内で模型を製作したり、CADで図面を描いたりする。 近くの現場がある時は担当者と一緒に現場打合せや検査などを見学する事もある。 特に現場を見ることは学校では体験出来ない事で、スタッフと職人さんや現場監督との打合せを聴いたりと、 リアルな現場を体験できる。

又、学生が多い時期に納涼会を行い、そこで大学の課題で一番の自信作をスタッフや他の学生にプレゼンをしてもらっている。 大学内でも発表の場はあると思うが、実務をしているスタッフや他大学の学生から普段とは違った目線でも講評を受ける事ができる。 特に学生同士は良い刺激になっている様で、熱心に情報交換などをしている姿が見られる。

我々スタッフも実務とは違う学生の設計に刺激を貰え、又、楽しく建築談義ができ、リフレッシュする事ができた。

たまたま誕生日だった私と数日前に誕生日だった橋本。

みんなに祝って頂きました。

弊社ホームページでは随時オープンデスクを募集しています。  http://www.maniera.co.jp/opendesk.html

 

日常の風景

何気ない日常・・・

気にも留めないその風景が

かけがえのない時間であったことに気付く

変わっていくもの・・変わらないもの・・・

確かにあったその風景を

この先の自分はどう思うだろう。

 

  • 終電が去った最寄駅
~君、時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るものなのだよ。~

 

  •  地元の夕焼け

     思えば、守れない約束ばかりだった。

     会いたい人と会えない人。

     風の便りは、いつも風向き次第。

     どうか、タイムマシンが発明されませんように。

     目を閉じるだけで、十分です。

     

  • ヨドバシカメラ梅田本店

      ~明るいときに見えないものが暗闇では見える。~

        ~目を閉じればすなわち見え目を開けば即ち失う~

 

  • あくびする犬

    ~よき人生には三つの要素がある。学ぶこと、稼ぐこと、そしてあくびをすること。~

 

  • すました犬 

                           ~ 俺はいいけどYAZAWAが何て言うかな?~

 

  •  桜   

                   ~儚いもの・・・美しいもの・・~

           ~世の中は美しい。それを見る目を持っていればね。~

  •  夜のドライブ

                     ~圧倒的悦楽~

 

  •  雑踏

     ~速度は自分流 疲れたら止まればいいさ それも自分流 それが矢沢の生き方~

 

 

 

 

最近おいしかったもの

水道水でお米を炊くと激怒するマニエラ建築設計事務所の

海原雄山ことスタッフのMです。

嘘です。そんなにこだわりはないです。

最近おいしかったものを紹介します。

仕事の合間に和菓子を食べると心が落ち着きます。

暑い夏には冷たいものですが、利休もびっくり玉露のソフトクリームです。

洋菓子も事務所付近にはおいしい店が多いです。

確認申請を出しにいった日はご褒美に淡路島バーガーを

B級グルメつながりで富士宮焼きそばもおいしかったです。

晴れた日にはピクニックに行きます。

おいしい珈琲とキッシュがあればいうことありません。


カプチーノもあればいうことありません。
西宮近辺はおいしいお店が多いので、是非ともお越しくださいませ~

雲の上のホテル

 

 

先日里帰りした際に高知県梼原町に行ってきました。

梼原町は全国に13しかない環境モデル都市に選定されています。

その取り組みの一つとして建てられたのが建築家、隈研吾設計の「雲の上のホテル」です。

 

山道を進むと突然姿を現します。

まわりになにもなく、存在感はありますが自然に溶け込んでいます。

 

併設されたギャラリーと温泉を繋ぐ渡り廊下。

 

渡り廊下とは思えないくらい贅沢に木を使っています。

 

 

残念ながら今回は宿泊はできなかったので、外からの見学しかできませんでしたが

お腹はしっかり満たされてきました。

高知名物カツオのたたき。

棚田を模した水盤越しに風景を眺めながら食事が楽しめます。

次回は宿泊で利用してみたいです。

 

皆さんも高知にお立ち寄りの際は是非!

投入堂

 

三朝の三徳山三佛寺・投入堂に行ってきました。

三徳山は神・仏の宿る霊山。石鎚山(愛媛)・吉野山(奈良)とならぶ修行の場として有名で、慶雲3年(706年)に開山したと言われています。
その昔、修行者が蓮の花びらを、「この花びらを、神仏にゆかりのあるところへおとしてください。」と空に投げたところ、先の3つの山に舞い降りたため、そこに順にお堂を造っていったそうです。その最後が三徳山で、修行者が麓にお堂を造りました。そして、それを法力で手のひらに乗るほどに小さくして、大きな掛け声と共に断崖絶壁にある岩窟に投入れたと伝えられています。「投入堂」の名はこの事に由来します。 その他も、重文や国宝のお堂も幾つかあり、建立はそれぞれ平安時代後期及び室町時代・江戸時代後期とされています。 厳しい自然に身をおいて、悟りを開くために敢えて危険な場所に建立したお堂なので、参拝にも登山を要することで有名です。行く前に基本部分をざっくり調べただけだったので、受付で説明を聞いた時は驚きました。

と言うのも、以前からの入山時に靴のチェック(許可されなかったら受付で売ってる草鞋を購入しないとダメ)や、入山届の提出・雨天時は入山不可などの約束事があり、加えて、ここ数年連続で死者もでているらしく、警察から「一人での参拝は禁止」という指導がでて、お寺への参拝にしてはかなり厳しめの内容だったからです。

 結局、履いてた靴が許可されず500円で草鞋を購入。出鼻を挫かれ、裸足に草鞋スタイルで出発しました。・・・が、出発してすぐに、考えがあまかったことに気がつきました。

 途中、鎖やロープを頼りに崖を上る場所があるという事は知っていましたが、数もレベルも予想以上で、一歩間違えば大怪我しそうなところばかり。崖下へ転落なんかしようものなら間違いなく即死するはず。けれど、柵はなく、たまに命綱がある程度の安全対策もある意味すごかったです。 修行の意味が込められての事なので参拝者としては楽しいけれど、都会に住んでる者にはアナクロニズムな感覚をおぼえました。 

 草鞋に関しては、雨上がりとあって通常よりスリッピーな地面に足を取られていた靴の人たちを余所に、岩の上や木の根の上もモノともせずで、かなり威力を発揮!先人の知恵と道具の素晴らしさに感動・感心でした。 そんなこんなで、途中の崖っぷちに建つ文殊堂や地蔵堂に立ち寄り、「まさに絶景」を堪能して、最後に参拝者を待つ投入堂と納経堂へ。

 直線距離にすると麓から僅か500m程度ですが、道中を考えると充実感・達成感が結構ありました。それに、冒頭の伝説はホントの話じゃないかと思うくらい、どうやってあの場所に建てたのか不思議で、ここでも先人の知恵と忍耐に驚嘆せずにはいられませんでした。

 この日は、驚きと感動の充実した一日を堪能できました。行った事がある誰に聞いてもいい感想しか聞いたことのない、かなりお勧めのスポットです。

個人的にも、関西からだと日帰りで十分いける距離なので、近いうちにまた行きたいと思っています。

CAP STUDIO Y3

神戸元町駅から北へ徒歩15分ほどの位置にある、CAP STUDIO Y3に行ってきました。場所などは下記HPをご覧になって下さい。
http://www.cap-kobe.com/

C.A.P.という、アートと社会をつなぐ様々な活動をしている組織があるのですが、STUDIO Y3はそのC.A.P.が「神戸市立海外移住と文化の交流センター」という施設を使って運営しているプロジェクトのひとつです。たくさんある部屋をさまざまなアーティストに創作の場として提供し、普段はその創作の現場を誰でも見られるようになっていて、また、毎月ワークショップや展覧会が行われています。

生の創作の現場を、しかもこんなに間近で見られる機会というのは、そういう友人でもいない限りなかなかあるものではないです。何かが生み出されている空間というのはやはり面白いし、他では得難い興奮があります。

器をつくっている人や

何とはひと言で形容できなかったりなぞのかわいいメモ・・・

住宅の外壁の中には断熱材を入れるのですが、その断熱材を使ってキャンバスのようにしている人がいました。写真の水色の塊がそうです。
硬い発砲スチロールのようなもので、切ったり削ったり加工がしやすくて形をつくりやすいので、建築系の学生なら模型をつくるときにおおまかな形を検討するときなどにもよく使います。

絵と造形物の間のような作品で、色使いも綺麗だったのでちょっと欲しかったのですが、作者がいなかったので手に入れられませんでした。
半年ぐらいで人が入れ替わってしまうのでまた近いうちに行きたいと思います。

 

佳水園

常々思うことですが、価値のある建築を「見学」するだけでなく、「使用」してみたい。

ということで、モダニズムの巨匠・故・村野藤吾氏の傑作和風建築として名高い。ウェスティン都ホテル数奇屋風別館・佳水園に宿泊してきました。宿泊すれば、時間を気にせずにまったりとその空間に浸れます。

本館で受付を済ませたら、エレベーターで七階まで上がります。山に寄りかかるように建築されているので、不思議な感じですが、佳水園は七階にあります。ここが2つの建築をつなぐ渡り廊下のようなところ。右がウェスティン都ホテル本館、左が別館・佳水園。

 

ロビーから庭を望む。軒・簾による風景の切り方、向かいの屋根やこちらの床、水平方向の統一感がものすごく美しいです。絶妙なバランス感覚によって、寸法を決められているんだと思います。

 

ホールから、各室へ進む廊下を望む。3つの天井と、柱がどれも交わらない。立体的で奥行き感が増幅されます。

 

奥見える庭園は、7代目小川治兵衛の息子・白楊によって作庭されたもので、岩盤をそのまま庭にしているという大胆な形です。岩盤をそのまま利用した白楊、その岩盤庭園をそのまま利用した村野藤吾。立体的に山に入り込んでいくように客室へアプローチしていく面白さが有ります。

 

写真ではわかりにくくなってしまいましたが、障子から庭の滝が見え隠れします。この廊下は障子の開いているところと、閉まっているところがあり、閉まっているところを一応開けてみると、案の定、裏方っぽい配線がすぐ見えたりしました。障子が閉まっている時は何か庭がどこまでも続いているような錯覚を覚えたのですが、上手いこと隠したものです。

 

ちょっと面白かったのですが、にじり口を非常口にしています。これはいいのでしょうか。現代の法律では難しそうですね・・。

 

客室から庭を望む。軒の出がとても大きい上に駆け込み天井になっていて、奥行きが増し、また、外の風景を巧みに取り込んでいます。

この建物の中で最も有名なのは、この屋根です。緩い勾配・薄い庇の銅版葺きが壁面よりも大きく張り出して普通の数奇屋建築とは一線を隔す、軽やかでモダンな雰囲気です。そして、見たかったのが全景を見下ろすこの風景。

宿泊するまで知らなかったことですが、この風景が見られる部屋は限られています。おそらく、白楊の庭の上まで行くことができる、二部屋だけではないでしょうか。(確かめていませんが・・・)この風景を見ながら、のんびりとビールが飲める。なんという贅沢。とてもラッキーでした。

村野藤吾は若い頃住んでいた借家の家主に日本建築の手ほどきを受けたといいますが、その人の言葉に「外からは小さく低く、内に入るほど広く高くすること」というのがあり、それを地で行くというか、モダンに昇華した形がまさにこの屋根の形に表れているような気がします。

ところで話は変わりますが、もう10年以上も前、建築を志すより昔に、村野藤吾の名前をはじめて知ったのはこの写真の建造物が始めてでした。知っていますか?これ。

梅田の換気塔です。子供の頃から見ていて、なんだろうなーと思っていたのですが。これもまた、巨匠の作品だったんですね。